ヴォーカルとギターの二人だけのグループ、フライド・プライドの新作は、原点に戻り2人だけのレコーディング。もともとこの二人だけでも抜群のアンサンブルを構築していただけに、これに納得するファンも多いだろう。むろん、それが可能なのは、二人がそれぞれしっかりした豊かな表現力の持ち主だからだが、このシンプルな作りで、こじんまりとはむしろ逆の世界が八方に散らばるような心地よさがある。マリリン・モンローにどこか似せた歌からソウルがいっぱいに弾ける歌、どの曲も違った顔を見せまったく飽きさせない快作だ。